2020年春高バレーで優勝後、日本体育大学へ入学し、日本代表選手に選ばれたバレーボールの高橋藍(らん)選手。
今後の世界最高峰のバレーボールリーグ、イタリア・セリエAでの活躍。注目度は高まるばかり。
ここでは高橋藍選手の経歴プロフィールやバレーボールの特徴をまとめています。
少し長めの記事ですが、目次の見出しタイトルをクリックすると、知りたい箇所へスキップしますよ♪
ではどうぞ!
バレー選手の高橋藍の最高到達点や身長などプロフィール
高橋藍選手の身長は188cm、スパイクジャンプの最高到達点は343cm、ブロックジャンプの最高到達点は315cmです(東京オリンピック2020-2021公式及びFIVB国際バレーボール連盟公式データに基づく)。
2020年の春高バレーに出場した選手全体の平均身長は181cm前後。また、男子日本代表選手全体の平均身長が188~189cm。
高校時代はバレー選手として高く、日本代表クラスの中では平均的な背の高さと言えます。
高橋選手はスピードのある攻撃だけでなく、守備のよさも特徴としています。
なお、有名人で同じ高橋藍(たかはし あい)というボクシング選手がいますが、バレーボールの髙橋藍選手とは別人です。
高橋藍:バレーボールの特徴
髙橋藍選手の優れた特徴は多くあります。
その一つは、どの方向から上がったトスでも、きれいにジャストミートして強いスパイクにできるところ。
バレーボールでは前方や聞き腕の斜め前の方向から上がったトスが一番打ちやすく、体の斜め後ろから上がるトスは打ちずらいものです。
高橋選手はどの方向から上がるトスでも正確にヒットさせ、強いスパイクを決めることができます。
技術やセンスがなければ、あのような高い確率でボールを上手くヒットできないでしょう。
さらに、高橋藍選手はレセプションやディグなど、守備も優れたスパイカー。
高橋藍選手は自分でレシーブをした後、速いスピードで攻撃に入るのが上手い選手です。
攻撃の枚数(人数)が増えることはチーム全体の攻撃力が高まり、このレシーブの良さは、日本代表のチーム戦略上も貴重な存在と言えます。
高橋藍の小学校時代
髙橋藍選手の「藍(らん)」の名前は、野球好きのお父さんがホームランの「ラン」からインスピレーションを受けたのが由来と言われています。
仏教の建物を意味する伽藍の「藍」という、ご出身の京都らしいお名前ですね。
藍選手がバレーボールを始めたのは、小学校2年生の頃。2歳上の兄、高橋塁(るい)さんの影響。
兄の高橋塁さんも東山高校出身で、現在は日本大学でバレーボール選手として活躍しています。
高橋藍選手は、兄の高橋塁選手が東山高校を卒業するまで、常に一緒にバレーボールの道を歩んできました。
全日本インカレ準決勝🏐
日本大×日体大で髙橋塁・藍の兄弟対決が実現✨
高校まではチームメイトだった2人がはじめてコートを挟んで対戦しました☀️
結果は日体大のストレート勝利👍
あさって、同じく順天堂大にストレート勝ちした早稲田大との決勝に挑みます☀️ pic.twitter.com/MVc9FKRhoZ— フジテレビ☆バレーボール (@fujitv_volley1) December 4, 2020
高橋藍の中学時代
高橋藍選手が通ったのは京都市立蜂ケ岡中学校。東映の京都撮影所にも近い場所。
蜂が岡中学は凌風中学、洛北中学、伏見中学などと並んで京都の中学バレーボールの強豪。
特に高橋藍選手が在校した時代は3年連続で全国大会へ出場しています(全日本中学選手権=全国中学校体育大会)。
- 2014年8月(平成26年度)
予選突破
決勝トーナメント2回戦進出
(ベスト16) - 2015年8月(平成27年度)
予選突破
決勝トーナメント1回戦進出
(ベスト27) - 2016年8月(平成28年度)
予選突破
決勝トーナメント1回戦進出
(ベスト27)
※JVA 日本バレーボール協会公式データより
ちなみに中学3年の2016年の全国大会は、その後、東山高校でチームメートとなったセッター中島健斗選手と楠本岳選手のいた昇陽中学校(大阪)が全国優勝をしています。
高橋藍選手は蜂ケ岡中学へ入学した当時は、さほど背は高くはなく、中学1年生のときはリベロをしていました。
中学時代にレシーブ力を鍛えていたため、エースアタッカーとなってからもレシーブ力が高く、相手サーブのレセプションの後、素早い動きでスパイクを決められる力があります。
また、県下でも将来性のある優秀な選手が選ばれる「JOCジュニアオリンピックカップ 全国都道府県対抗中学大会」へ京都選抜として出場。
下の動画は2016年、中学3年生の頃の髙橋藍選手です(背番号6)。
現在よりも細い体ですが、すでに高いジャンプ力があり、しなやかなフォームから鋭いスパイクを相手コートへ打ち込んでいます。
高橋藍の高校時代:東山高校で2020年春高バレー優勝
髙橋藍選手の出身高校は京都の東山高校。
京都の有名観光地「南禅寺」や「哲学の道」の近くにあるスポーツが盛んな進学校です。
蜂が岡中学を卒業後、高橋藍選手は兄が進んだ東山高校で、再び、兄の高橋塁選手と一緒にプレーすることになりました(東山高校では高橋塁選手が高3のとき、藍選手は高1)。
そのころ、京都の地区大会では、東山の最大のライバルで2019年春高バレーの覇者の洛南高校がいました。
兄の高橋塁選手がいた頃の東山高校は、いつもギリギリのところで洛南高校(1学年上のエース大塚達宣)の壁に阻まれていました。
小さい頃から一緒にバレーボールをしてきた高橋藍選手と兄の塁選手が一緒に春高バレーへ出場する夢は叶いませんでした。
しかし、高橋藍選手が主力の3年生となった東山高校。
ついに京都の地区大会で優勝を勝ち取り、2019年夏のインターハイ(全国高校総体)へ出場。ベスト4に入りました。
ちなみに、インターハイの準決勝で敗れた相手は同じ速い展開のバレーで、スター選手のエース・柳田歩輝選手を擁する長野代表の松本国際高校。
東山高校はこの試合で松本国際の速い攻撃にブロックが追い付いてゆかず、ほとんど何もできなかったと言われるほどの差。
しかし、東山高校はこの敗戦をきっかけにスピードに対する意識を変化させたと言います。
セッターで中学で全国優勝を経験している中島健斗選手を中心に、相手の速い攻撃への対応力を高め、東山高校の「立体的な高速バレー」に磨きをかけてゆきました。
その結果、2019年秋の国体(国民体育大会)では京都代表として優勝。
2020年1月の春高バレー(春の高校バレー、全日本バレーボール高等学校選手権大会)では、準決勝で松本国際高校を破り、失セットゼロという圧倒的な強さで優勝しました。
準決勝の松本国際高校とのテンポの速い同士の対決、バレーエース同士の打ち合いは、見ごたえ十分。
以下はその時に現場で撮影したワンシーン(約1分の動画)。高橋藍選手のサーブから始まります。
春高バレー決勝戦での駿台学園との対決は、まるで高橋藍選手のために用意された劇場のように次々と鋭いスパイクが決まってゆきました。
高橋藍選手は、兄の塁さんをはじめとする先輩たちの悔しさを晴らすことができ、優勝インタビューでは兄・塁さんの話となると涙を見せました。
高橋藍の高校時代:バレー石川祐希選手らとの共通点
髙橋藍選手のプレーや動きは、何人かの有名バレーボール選手を思い起こさせます。
石川祐希選手の高校時代との共通点
高橋藍選手の春高での活躍は、いくつかの有名バレーボール選手を思い起こさせました。
その一人が日本代表のエース、石川祐希選手です。
高校時代の石川祐希選手の身長は190cm前後。高橋藍選手は2020年の春高出場時点で188cm。
痩せていて細身の体形は石川祐希選手の星城高校時代に似ています。
全身のバネを使った、力みのないシャープなスウィングと高い打点から、足の長い(※)鋭いスパイクを打てるところも石川選手との共通点。
(※)打ち下ろすのでなく、コートの奥の方へ長く打つスパイク
春高でも、相手チームのディグの際に弾き飛ばされているシーンを目にしました。
力を入れて打っているように見えなくてもボールに勢いと力強さがある証拠です。
ブロックの隙間を見ながらのコースの打ち分けが上手いところも、石川選手の高校時代と共通しています。
高校時代のコーチは石川祐希選手の大学時代と同じ
高橋藍選手の東山高校時代のバレー部コーチは松永理生(まつながりお)さん。日本代表の石川祐希選手と共通の恩師。
松永理生さんは東山高校→中央大学→パナソニック・パンサーズ→豊田合成トレフェルサ(現・ウルフドッグス名古屋)で活躍し、日本代表にもなった元バレーボール選手。
2012年から中央大学の男子監督をし、2019年からは東山高校のコーチをしています。
中央大学と言えば、日本代表のスーパープレーヤー石川祐希選手の母校。
実は、石川祐希選手の将来性に目をつけ、石川祐希選手が中央大学に入るよう熱心に誘い、スカウトしたのが松永理生さん。
松永コーチが東山高校のコーチになってから、東山高校のバレー部はさらに強くなったと言われています。
春高バレーの試合会場での松永コーチは、とても爽やかで情熱的な感じでした。
そして、髙橋藍が高校時代に参考にしたと言われているもう一人の選手がパナソニック・パンサーズで活躍中のミハウ・クビアク選手(下の写真/身長192cm・ポーランド代表)。
190cm前後という身長は、200cm前後が平均的な身長の世界のトップレベルの代表クラスと戦う上では、決して高さで有利とは言えません。
クビアク選手の身長は192cmですが、多彩な攻撃と守りの両方に優れたオールラウンダー。
2017/18年、18/19年のVリーグでは2シーズン連続でMVP(最高殊勲選手)にも選ばれています。
ミハウ・クビアク選手の情報
(ポーランド代表チーム情報)
▼2021年7月加筆▼
※高橋藍選手の高校時代、Vリーグで大活躍していたクビアク選手ですが、それから2年の時を経て東京オリンピックの出場選手となった高橋藍選手。現在、高橋選手にとってクビアク選手は「目標」でなく、同じく東京五輪に出場して戦う者同士「ライバル」となりました。
高橋藍の大学時代:日体大(日本体育大学)バレー部
2020年4月、高橋藍選手は高校卒業後の進路として日本体育大学へ進学。
大学入学後は、コロナ禍で試合や練習が制限される中でフィジカルを強化。筋肉がついて体重は大学入学時と比べて10kg増えたとか(身長188cm72kg→82kg)。
6月にはシニアの日本代表合宿に参加。イタリアのリーグで戦う石川祐希選手ら含む5人だけの合宿。
髙橋選手はそこで「バレーを楽しむ」というメンタル、食事や細やかなボディケアの必要性など、プレー以外でも数々の学びを得たと言います。
スポーツにまつわるドラマに一つでも多く寄り添う。
4years.で今日3月11日アクセスが多かった記事はこちら!
「バレー – 高橋藍、春高初優勝から代表候補を経て日体大へ「自分自身がどれだけ成長できるか」 」https://t.co/gP52xkB7O3— 4years. (@4years_media) March 11, 2021
2020年12月の全日本インカレ(第73回 秩父宮賜杯全日本バレーボール大学男子選手権大会)では1年生ながらチームの中心で活躍。
決勝で惜しくも早稲田大学に敗れましたが、日体大は6年ぶりの決勝進出となり復活の準優勝。
日本代表での国際経験を積み、さらにスキルアップした髙橋選手の大学での活躍が期待されます。
高橋藍:日本代表バレーでの活躍・東京オリンピックに出場
2020年度日本代表選手
また、東山高校を卒業する間近、2020年の2月には2020年度のシニアの日本代表登録選手に初選出。
3月にはナショナル・トレーニング・センターでの代表合宿へ参加。
サーブがすごい西田有志選手に「藍はサーブがいい」と言われ、石川祐希選手には「レシーブの形がとてもきれい」と評されました。
2020年8月に行われた「紅白戦リモートマッチ」の日本代表デビュー戦では、安定したレシーブと素早さのあるスパイクで活躍。
強打だけでなく、いなすような軟巧を織り交ぜてプレーを進化させ、大型選手として活躍した高校時代には前面には出てこなかった器用さを見ることができました。
参考記事
高橋藍の全日本代表バレーデビュー戦、紅白リモートマッチ2020の活躍は?
2021年度日本代表選手:東京オリンピックに出場
髙橋藍選手は2021年度の日本代表選手にも選抜されました(2021年4月5日)。
日本代表選手として初の国際試合デビューとなった2021年5月1日・2日「東京チャレンジ」の中国戦では存在感を大々的にアピール。
特に5月2日の試合ではシニア代表の新人とは思えない堂々としたプレーぶりで、両チーム最多の19得点。
持ち前のレセプションやディグの良さもさることながら、パイプ攻撃(バックアタック)ではセッターとのコンビネーションも冴えていました。
また、大学入学後に取り組んできたフィジカル強化の成果も出始めており、高校時代よりもスパイクのパワーが増しているようにも見えます。
『東京チャレンジ2021🏐男子🇯🇵日本vs中国🇨🇳』
【第2セット】
代表最年少19歳❗️ #髙橋藍 選手🇯🇵
世界の高さを切り裂くバックアタック🌎🙌🏻
ただいまフジテレビ系列で生中継中‼️#東京チャレンジ2021#日本vs中国#東京五輪強化マッチ#フジテレビスポーツ⁰#龍神NIPPON⁰#バレーボール pic.twitter.com/eJhMxumWBY— フジテレビ☆バレーボール (@fujitv_volley1) May 2, 2021
2021年5-6月にイタリアで行われた国際大会、VNL(バレーボールネーションズリーグ)2021では攻守にて活躍。
VNL2021大会で15試合を通じての総得点数はチーム2位の118点(チーム1位は石川祐希選手169点)。国際的にも知られる選手となりました。
そして、2021年6月21日、高橋藍選手はついに東京オリンピック2020のメンバー12名に選出。
小学生の時に掲げた「東京オリンピックへの出場」という目標が、1年遅れた開催されたことで実現しました。
東京オリンピックではチームの主力として活躍。その技術の高さや選手としての実力が国内外に知られることになりました。
2021年9月:アジア男子バレーボール 選手権大会(アジア大会)
東京オリンピック終了後の9月、髙橋藍選手は新生日本代表の中心選手としてアジア大会に出場。
新しい背番号は「12」。
チームの主力としての存在感をさらに増しています。
相手の強いジャンプサーブをものともせず、ボールの勢いを止めてセッターに返す髙橋藍選手のサーブレシーブはまさに芸術的とすら言えるほど。
映像からはわかりずらいですが、実物を見ると、高橋選手のレセプションからセッターへ渡るその球質に驚くでしょう。
機会があれば、是非試合会場へ足を運んでみるのをお勧めします。
高橋藍:イタリアでの所属チームや活躍
2021/22年 パドヴァ:日本体育大学(2年)在学中
2021年夏の東京オリンピックでの活躍を通じて、髙橋藍選手は世界のバレーボール界で知られる存在となりました。
インスタのフォロワー数は、石川祐希選手(66万人)、西田有志選手(77万人)を抜き、90万人を突破(2021年11月時点)。
髙橋藍選手は母方の祖父がアメリカ人というクオーター(お母様がハーフ)で、外国人のような顔立ちだからか、特に外国人の女性ファンの多さが際立ちます。
2021年10月、高橋藍選手が世界最高峰のバレーボールリーグ、イタリア・セリエAへ挑戦。
加入するのはセリエAのパドヴァ。かつて石川祐希選手が所属し、日本人にもなじみのあるチームです。
日本体育大学に在籍しながら、シーズン途中からのバレーボール留学でしたが、実戦での出場機会を得ることができました。
イタリアセリエAのチーム「パドバ」って?
パドバは13チーム(2021/22シーズン)あるイタリア・セリエAの中でも、例年、7-8位という中くらいの順位となることが多いチームです。
2019/20年シーズンには、同じくセリエAで活躍中の日本代表キャプテン、石川祐希選手が所属していました。
石川祐希選手も大学時代、初めてセリエAに挑戦した選手。早い時期から世界最高レベルのリーグで経験することの重要性を知っています。
髙橋藍選手がかねてから掲げていたイタリアでプレーするという夢。
髙橋選手はその夢を日本代表チームの石川祐希選手と接する機会をもつ中で、より現実的、具体的な目標に変えていったのかもしれませんね♪
日本代表のチームメイトである石川祐希選手、西田有志選手、高橋藍選手が、世界最高峰のバレーボールリーグで戦うのは楽しみですね!
パドヴァの情報については下記の記事もどうぞ!
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2022/23年 パドヴァ:日本体育大学(3年)在学中
前年に引き続き、パッラヴォーロ・パドヴァでプレー。
前年は一部の試合やリベロとしての出場でしたが、この年は主力アタッカーとしてシーズンを通して出場。
パドバはレギュラーシーズンの順位は12位中の10位(プレーオフ後の最終結果は7位)でしたが、高橋選手は世界トップクラスの高さとパワーに負けない技術を身につけました。
2023/24年 モンツァ:日本体育大学(4年)在学中
2023年10月のワールドカップ、OQT(パリ五輪予選)を勝ち抜き、見事パリ・オリンピックの出場権を得た高橋藍選手。
2023年秋~2024年春はイタリアセリエAのモンツァでプレーすることが決まっています。
モンツァは前年シーズンはプレイオフ(上位チームでの勝ち残り戦)へ進出。
5位決定戦では強豪ペルージャを破り、セリエAのトップ4チームに肩を並べる勢いがあります。
パドヴァからモンツァへの移籍は、高橋選手にとって1ランクアップと言えます。
引き続き、日本体育大学に在籍しながら、プロバレーボール選手としての活躍が期待されます。
バレー髙橋藍選手のインスタ、ツイッター
高橋藍選手はインスタグラムとツイッターをしています。
インスタには既に公式マークがついていてすごいですね。
髙橋藍選手はハーフ?
「高橋蘭選手はハーフか?」という話題がよく上がっているようです。
それについては高橋選手の兄、高橋塁さん(日本大学バレー選手)が「クオーターです」とツイッターの中でコメントされています。
お母様がハーフとのことです(母方の祖父がアメリカ人)。
髙橋藍選手:関連情報
髙橋蘭選手には春高での優勝を通過点として、さらに上を目指して頑張ってほしいですね。
よろしければ、以下の記事もどうぞ。
生年月日:2001年9月2日
出身地:京都市
血液型:O型
ポジション:アウトサイドヒッター