バレーボール男子日本代表「龍神NIPPON」や世界最高峰のバレーボールリーグ、イタリア・セリエAで活躍する石川祐希。
この記事は石川選手のイタリアのバレーリーグでの歩み、契約チームや歴代チームでの個人成績などをまとめています。
石川祐希の現在の所属チームはイタリアのミラノ
石川祐希選手は「パワーバレーミラノ(Power Volley Milano)」に在籍。
パワーバレーミラノは2020/21年シーズン(2020年9月~)に入団。
2022年10月~2023年3月はミラノ在籍3シーズン目となります(セリエA通算8シーズン目)。
イタリアの男子バレーボールリーグ「セリエA」は各国トップクラスの選手が集まる世界最高峰のリーグ。
石川祐希選手は大学1年生の時に初めてイタリアのセリエAへ行き、3か月の短期バレー留学。
日本人の大学生がイタリアのプロリーグでプレーするのは石川祐希選手初のことでした。
大学卒業後、日本のVリーグではなくイタリアのプロチームと契約。
2022年10月~2023年3月はプロ選手として5年目を迎えます。
石川祐希:イタリア セリエAでの通算成績
イタリアのプロバレーボールリーグでは、日本のVリーグのように長年にわたって同じチームに在籍する選手だけでなく、毎年移籍してゆく選手が数多くいます。
2020/21年シーズン終了時点の石川祐希選手のイタリアでの所属チーム歴と個人得点数は下記のとおり。
( )内はセリエAリーグ内での得点数ランキング順位
- 2014/15年モデナ
中央大学1年
3か月間のバレー留学
29得点(100位圏外)
- 2015/16年 中央大学2年
イタリアでのプレーなし - 2016/17年ラティーナ
90得点(99位)
中央大学3年 - 2017/18年ラティーナ
218得点(57位)
中央大学4年 - 2018/19年シエナ
376得点(20位)
プロ初シーズン - 2019/20年パドヴァ
252得点(22位)
プロ2シーズン目
コロナ禍で途中終了
MVP:3回受賞
(11/20、11/23、12/1) - 2020/21年ミラノ
470得点
(リーグ全体8位/チーム1位)
プロ3シーズン目
MVP:6回受賞
(9/13コッパイタリア、10/3、10/11、11/7、4/8、4/18)
イタリアリーグでのプレーが6シーズン目となった2020/21年シーズンは、総得点数でセリエA全体のベスト10入りを果たしました。
- 2021/22年ミラノ
総得点:370得点
(リーグ全体22位/チーム3位)
セリエA通算7シーズン目
プロ4シーズン目
ミラノ2シーズン目
チームメンバーの構成が変わり、コート内での石川選手の役割や対戦相手の戦術に変化あり。
前シーズンと比べて石川選手がサーブレシーブをする回数や割合が増えている(リベロのPesaresi よりもはるかに多い本数を受けている=スパイクをいい状態で打つには不利)。
<2021/22年シーズンデータ>
⇒ミラノチーム
⇒セリエA全体の得点ランキング
- 2022/23年ミラノ
2022年10月~2023年4月
パワーバレーミラノ3シーズン目
セリエA通算8シーズン目
プロ選手:5シーズン目
現在ここ
下は各シーズン毎の数字と根拠(リンク)をまとめたものです(CEVチャレンジカップなどの国際試合は含まず)。
リンクをクリックするとデータ元を表示します。
シーズン年 10月-4月頃 | チーム名 | 試合数 | セット数 | 総得点 | 総得点ラン キング順位 | サービス エース | レセプシ ョン本数 | アタック 本数 | スパイク 決定率% | ブロック 決定本数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014/15年 | モデナ | 19 | 16 | 29点 | 100位圏外 | 3 | 44 | 39 | 64.1% | 1 |
2015/16年 | 中央大学 | - | - | - | - | - | - | - | - | |
2016/17年 | ラティーナ | 19 | 45 | 90点 | 99位 | 9 | 205 | 149 | 50.3% | 6 |
2017/18年 | ラティーナ | 30 | 71 | 218点 | 57位 | 17 | 351 | 340 | 54.1% | 17 |
2018/19年 | シエナ | 26 | 111 | 376点 | 20位 | 29 | 666 | 668 | 46.4% | 37 |
2019/20年 | パドヴァ | 20 | 74 | 252点 | 22位 | 30 | 422 | 423 | 48.7% | 16 |
2020/21年 | ミラノ | 37 | 139 | 470点 | 8位 | 28 | 641 | 871 | 46.3% | 39 |
2021/22年 | ミラノ | 32 | 125 | 370点 | 22位 | 24 | 776 | 772 | 41.3% | 27 |
2022/23年 進行中 | ミラノ | |||||||||
合計 | 183 | 581 | 1805 | 140 | 3105 | 3262 | 143 |
※2021/22年シーズン終了時点
(2019/20年はシーズン途中終了)
<上記の表に含まれるもの>
RS+PO+PO5posto+CI
RS:レギュラーシーズン
PO:プレイオフ
PO5posto:5位決定戦
CI:コッパイタリア
石川祐希の2014ー15年:パッラヴォーロ・モデナ
2014年12月~2015年3月のシーズンに所属したのは、パッラヴォーロ・モデナ(通称:モデナ)。
モデナはセリエAの中でも最強チームの一つ。
1966年に創設され、セリエA優勝10回、コッパイタリア優勝11回、欧州チャンピオンズリーグで4回優勝してます。
特に1980年代から90年代にかけて多くのイタリア代表選手がモデナから出ていました。
石川選手は2014年12月(中央大学1年)の全日本インカレ終了後、約3ヶ月の短期移籍でモデナに加入しましたが、スタメン出場できたのは15試合中の2試合のみ。
しかし石川選手は世界男子バレーボールの中でも強豪のイタリアで、日本との差を感じつつも、世界レベルは近いところにあることも感じたようです。
世界の壁に打ちひしがれるのでなく「世界最高峰リーグでも通用する、これならやれる!」って思ったところが、まさに石川選手のすごさですね!
石川祐希の2016ー18年:ラティーナ(現:チステルナ)
モデナから日本に戻ったのち、2016年の(大学3年)のシーズン終了後、石川選手は再び3か月間の短期バレー留学でイタリアのプロリーグ、セリアAへ。
2016年12月~2017年4月のシーズンに所属したのは、トップバレー・ラティーナ(現在、チーム名はチステルナに改名)。
ラティーナは1972年に創設。2013年にはCEVカップ(欧州バレーボール連盟杯)で準優勝、2014年チャレンジカップで準優勝。調子を上げてきているチームです。
石川選手はその後一時帰国しますが、ラティーナに残留し、2018年の冬、再び、ラティーナに加わります。
この頃になると、石川選手はイタリアでの活躍に手ごたえを感じ始めていたようです。
自分のことでいうと、いろんな指示が(イタリア語で)だいぶ理解できるようになってきたので、プレーがしやすくなりましたね。こちらから何かを言おうとするときには言葉に詰まることもありますが、ある程度は伝えられるようになってきたので、そこは過去2回とは違うかなと思います。引用元:Sportiva
#TopVolley45 🇮🇹🇯🇵 Yuki #Ishikawa nel match #LatinaPiacenza al #PalaBianchini di #Latina #insiemesiamopiùforti #CVAP #civediamoalpalazzetto pic.twitter.com/oEK7BLOvI4
— Top Volley Cisterna 🔝🏐 (@topvolley1972) 2017年2月6日
石川祐希の2018年-19年:エマ・ヴィラズ・シエナ
大学卒業後、石川祐希はセリエA-1部のエマ・ヴィラズ・シエナ(通称:シエナ)に移籍。
プロのバレーボール・プレーヤーとして最初のシーズンをむかえました。
石川選手はシーズン開幕戦のスタメンとして出場。チームの主力選手としてプロ1年目の初戦を終えました。
シエナでは全26試合にスタメン出場し、376得点をあげました!
はじめての海外移籍でのモデナ(三か月短期移籍)では、2試合で28得点ですので、シエナでは大活躍したことがわかりますよね。
石川祐希の2019年-20年:キオエネ・パドヴァ
2019-20年シーズンに所属したチームがキオエネ・パドヴァ(通称:パドヴァ)。
2009年に元全日本男子バレーの代表選手だった越川優選手も一時所属していたチームです。
パドヴァは1971年に創設し、比較的歴史の長いチームですが、近年は全12チーム中で中間くらいの順位が多め。
- 2019/20年:7位(シーズン途中終了)
- 2018/19年:7位
- 2017/18年:9位
- 2016/17年:12位
2019-20年シーズンは石川祐希選手が加入してチームも調子を上げ、プレーオフ(上位チームの最終決戦)進出の可能性がありました。
しかしながら、2月以降の新型コロナウィルスの感染拡大でシーズンが途中終了。
パドヴァはその時点の7位で2019-20年シーズンを終えました。
石川祐希:パドヴァ時代の個人のランキング
セリエAの公式サイトでは選手個人のパフォーマンスがポイント数で評価されています。
以下は2019-20年シーズンの石川選手のデータ。
石川祐希選手の総得点数は252点。
内訳はサービスエースが30点、スパイク得点が206、ブロック16得点でした(途中終了のレギュラーシーズン+コッパイタリア)。
注目すべきはレセプション数(サーブレシーブ)の422。
サーブレシーブを受けたスパイカーはスパイクへの十分な体勢をとれないことが多くなり、攻撃上は不利な状況になります。
しかし、石川選手は攻守両面で高いパフォーマンスを発揮していました。
また、大事な局面でサービスエースを決めたことが、後半のチームの好調に結びついています。
シーズンが途中終了しなければ、さらに真価を発揮していた可能性が高いと言えるでしょう。
上の表はセリエA公式サイトでの2019-20年シーズン全体での総得点数ランキング。
石川祐希選手はリーグ全体でも22位にランクインしました。
パドヴァの中ではオポジットのエルナンデス選手(全体で3位)に次ぐ2位。
エルナンデス選手をはじめ、上位20位内にランクインしている選手の多くはオポジット。基本サーブレシーブを受けずに攻撃に専念できるポジション。
アウトサイドヒッターである石川祐希選手はサーブレシーブも数多く行います。
チーム内で求められている役割が異なるため、一概にポジションが異なる選手の活躍をトータルポイントだけで比較は難しいところ。
(たとえば、エルナンデス選手はトータル384点でもレセプション数は9で、サーブレシーブはほとんど受けずにスパイクに専念するため、得点数は多め)
攻守両面で優れた石川祐希選手が、世界トップクラスの選手たちが集まる中で、このランクインはすごいことですね。
石川祐希の2020年以降:パワーバレーミラノに在籍
2020-21年シーズン
2020年6月10日、石川祐希選手はセリエAの強豪チーム、パワーバレーミラノへの加入を発表。
ミラノは4月下旬から石川祐希選手にオファーを出していたことを明らかにしていましたが、石川祐希選手は6月11日の記者会見でミラノへの移籍を報告。移籍の理由や抱負を語りました。
⇒会見動画(約7分)
(石川選手のインスタより)
パワーバレーミラノは2017年、18年にシーズンの最後に上位チームで試合を行うプレーオフに進出。
2019-20年シーズンの順位は13チーム中の5位(7位のパドヴァよりも上位)。
イタリア代表のマッテオ・ピアノはじめ、世界トップクラスの有名選手らが所属しています。
2020/21年シーズン
パワーバレーミラノの最終順位:6位
※レギュラーシーズンを8位通過後、フレイオフにて最終順位が決定
「2020/21年シーズンパワーバレーミラノの戦いの記録」はこちら。
2020/21年:石川祐希の個人成績やランキング
2020/21年シーズン
セリエAでの総得点数
470得点(41試合出場)
<470点の内訳>
レギュラーシーズン 302点
プレイオフ 68点
コッパイタリア 36点
5位決定戦 64点
総得点数470はセリエA全体の中でも堂々の8位!!
パワーバレーミラノで№1
⇒上のランキング表をネットで見る
(データ元:セリエA公式)
CEVチャレンジカップ(欧州32か国のクラブが対抗する大会)での得点数など、シーズン全体の総得点すは514得点でチーム2位。
以下の引用文はパワーバレーミラノの公式サイトに掲載されたシーズンを全体を振り返った総評記事の一部です。
Dietro di lui, per numero di punti realizzati, il talento di Yuki Ishikawa: il numero 14 giapponese si ferma a quota 514, risultando però il miglior dei suoi in Superlega con 470 punti in 41 match.
※出典:2020/21年シーズン総括レポート
(パワーバレーミラノ公式)パトリィの次に得点数を獲得したのは、才能あふれる背番号14番の日本人、石川祐希だ。彼の得点数は514点にとどまったが、SuperLegaでは41試合で470点を記録し、チームの中で最高の成績を収めた。
※日本語訳出典:Sapere e Pensare
「talento(タレント,才能)」という言葉が使われていますが、石川選手のバレーの技術は世界最高峰リーグのセリエAでも既にトップクラスにあると言って過言でないでしょう。
これはアメリカのプロ野球、メジャーリーグ(MLB)でのイチロー選手の姿と重なります。
イチロー選手はフィジカルの強い大型選手が多い中、類まれな技術で数々の記録をたたき出し、トップ選手として活躍。石川選手もバレーボールのパフォーマンスにおいて「体格がすべて」ではないことを証明しています。
(ちなみに二人とも愛知県出身でイチローは愛工大名電、石川選手は星城高の出身)
STATS(成績表)を見る方法、一覧表の用語説明など、各種データを調べる方法は以下の記事にまとめています。
2021-22年シーズン
石川祐希選手は2021/22年シーズンもパワーバレーミラノでプレー。
チームの中心選手として活躍しました。
以下は5月14日に公開された2021/22年シーズンに関する動画
2021/22年シーズンの契約時、パワーバレーミラノのフサロ会長とのスナップショット。
✍🏻 | FIRMA
⠀
Il momento della firma di Yuki Ishikawa sul contratto che lo legherà a Milano anche per la stagione 2021-2022.
⠀#RinnovoIshikawa
⠀#Allianz #PowervolleyMilano #ForzaMilano #TeamAdidas #AdidasVolleyball #Pallavolo #Volley #Volleyball pic.twitter.com/0JhtWUmur0— Powervolley Milano (@PowervolleyMI) May 14, 2021
2021/22年シーズンの成績は以下のとおり。
総得点:370得点(リーグ22位/チーム3位)
アタック得点:319(決定率41.3%)
サービスエース:24点
ブロック決定本数:27点
アタック本数:772本(チーム2位)
レセプション本数:776本(チーム1位)
<データに含まれる数字>
RS+PO+PO5posto+CI で調査
RS:レギュラーシーズン
PO:プレイオフ
PO5posto:5位決定戦
CI:コッパイタリア
チームメンバーの構成が変わり、コート内での石川選手の役割や対戦相手の戦術に変化あり。
前シーズンと比べて石川選手がサーブレシーブをする回数や割合が増えている(リベロのPesaresi よりもはるかに多い本数を受けている=スパイクをいい状態で打つには不利)。
2022-23年シーズン
2022年10月~2023年3月はパワーバレーミラノに在籍して3シーズン目。
上の写真はミラノの街中を走るトラム(路面電車)の広告(公式ツイッターより引用)。チームの看板選手です。
2022/23年シーズンのミラノの試合日程や結果、順位はこちら▼
パワーバレーミラノの試合日程と配信予定 石川祐希選手 |
2022年10/2~12/11 シーズン前半 |
2022年12/18~2023年3/12 シーズン後半 |
|
本日時点のミラノの順位 ⇒セリエA公式サイト ⇒Flashscore |
セリエA公式サイト 石川祐希選手のページ |
⇒Ishikawa Yuki これまでの成績も掲載 |
イタリアのバレーボールリーグのライブ配信、試合を視聴する方法
2023-24年シーズンもミラノと契約が決定
2023年2月8日、石川祐希選手は今シーズンの終了を待たずに来季もミラノとの契約を発表しました。
2023年2月から日本人初のチーム・キャプテンとなった石川選手。
異例となるこのタイミングでの発表はチームからの大きな信頼を期待の表れと言えます。
【ご報告】
石川が来季もパワーバレーミラノと契約することが決定しました。
石川も「引き続き、このミラノの地でプレーできることを嬉しく思います」とコメントしています。今後も応援よろしくお願いします。@PowervolleyMI #powervolleymillno #Italy #Milano #volleyball
Byマネージャー pic.twitter.com/dWTvdyn6jA— 石川祐希 (@yuki14_official) February 8, 2023
石川祐希選手の関連情報
よろしければ、以下もどうぞ。
セリエA6シーズン目
通算総得点数:1435点
<内訳>
・アタック1203得点
・サービスエース116得点
・ブロック116得点
↓↓↓
2021/22年シーズン終了時点
セリエA7シーズン
通算総得点数:1805点
<内訳>
・アタック1522得点
・サービスエース140得点
・ブロック143得点
⇒本日時点の通算成績を見る