バレーボールVリーグで活躍する黒後愛（くろご あい）選手。
2021年の東京オリンピックではエースとして活躍した黒後愛選手の出身校やこれまでの活躍、今後についてまとめています。
バレーボール黒後愛：身長や最高到達点などプロフィール
黒後愛選手の身長は180cm、体重70kg（Vリーグ公式データ）。
セッターやリベロを含めた女子日本代表選手の平均身長が175cm前後、スパイカーの平均身長が178cm前後ですので、日本チームでは身長が高い方に入ります。
黒後愛選手の最高到達点はスパイクジャンプ306cm、ブロックジャンプの最高到達点は289cm、指高は237cm。
最高到達点の高さは同じエース級の選手では古賀紗理那選手(305cm､身長180cm)、石井優希選手(302cm､身長180cm)と並び、代表選手の中でもトップクラスと言えます。
黒後愛選手の特徴や当たり出すと、高さとパワーが桁違いのところ。外国人選手に劣らないパワフルさです。
そして、コート内での高くて明るい声。とびっきりの笑顔です。
足のサイズは26.5cm。
黒後愛：小学校時代
黒後愛選手の出身小学校は栃木県の宇都宮市立横川西小学校。
バレーボールを始める前は水泳やピアノもやっていたそうです。
小学１年生の頃からバレーをしていた姉の練習について行っていましたが、バレーボールを始めたのは横川西小学校３年生のとき。
横川西小のチームと母の知り合いがコーチをしているクラブ、サンダースと両方でバレーをしていました。
サンダースは県内のジュニアバレーボールの強豪。
黒後愛選手が５年生の時（2010年）、全国大会（全国スポーツ少年団バレーボール交流大会）でベスト４に入りました。
６年生の時に全国優勝を目指していましたが、東日本大震災の影響で大会が中止になってしまったそうです。
黒後選手の小６の時の身長は160cm前後。
小学生としては高身長のほうですが、この時期にレシーブをよく練習したおかげで、エースアタッカーになった後も、レシーブへの苦手意識はなかったと言います。
黒後愛：中学校時代
黒後愛選手の出身中学校は宇都宮市立若松原中学校ですが、実はこの学校は黒後選手の校区ではありませんでした。
しかし、叔父が若松原中のバレー部監督をしていたため、越境入学。
他の選手とは一つ抜けた身長の高さ、上手さだった黒後選手は若松原中学校の１年生からレギュラーとなりました。
下の左から二番目は中学時代の黒後愛選手。中学生らしくて可愛いですね。
中学時代は関東大会への出場まででしたが（関東大会に出るだけでも十分すごいですが）、中学２年の時には全日本中学選抜に選出されています。
中学３年で出場した全国都道府県対抗中学バレーボール大会では、栃木県代表は２回戦で負けましたがが、黒後選手は優秀選手賞を獲得。
優秀選手は、通常、優勝校や準優勝校から選ばれることが多いです。2回戦で敗退した黒後愛選手はとても存在感があった証拠ですね。
黒後愛：高校時代
黒後愛選手の出身高校、下北沢成徳高校は高校女子バレーボール界の東京の超名門。
木村沙織、大山加奈、荒木絵里香、石川真佑など、全日本選手のトップ選手たちの出身校です。
黒後愛選手は下北沢成徳高校時代の１年生の時、春高バレーでベスト８（2015年）。
高校２年（2016年）、３年（2017年）で二大会連続で優勝。
エースとして大会のMVP（最優秀選手）に表彰されました。
下北沢成徳高校ではウェイトトレーニングをしっかり行うことで有名で、卒業生の選手は皆、共通してパワフルな感じになるのだとか。
エースアタッカーの練習は、ハイセット（相手ブロックがしっかりつく時間のある高いトス）の時でも逃げない、小手先に走らない！
真っ向勝負して打ち切って、得点を決める練習をたくさんしています。
こういう骨太さ、強さがあるから、高校卒業後、すぐにシニア代表チームに合流して活躍できるとも言えます。
さらに、下北沢成徳高校の名将、小川良樹監督の指導法は「教えすぎず、自分で考える力をつけさせる」。
自分で考えて対応する力があるから、相手チームに対応できるし、苦しい場面でも自分で修正できる。
小川良樹監督の指導法によって、木村沙織、大山加奈、荒木絵里香などの日本女子バレーを代表する選手たちが生まれるのでしょうね。
下北沢成徳高校、本当に、すごい高校ですね。
東レアローズでの黒後愛選手
高校卒業後、2017年に黒後愛選手はVリーグの東レ・アローズに入団。
同じ年、2017年3月、全日本女子代表メンバーに初登録されています。
Ｖリーグに本格デビューした2017-18年のシーズンでは、攻守の中心選手として活躍。
黒後選手は最優秀新人賞を獲得しました。
その後も黒後選手は東レアローズのキャプテン、エースとして活躍。
過去2～3年一方で、東レアローズは、Vリーグや天皇杯でも決勝へ進むものの、ギリギリのところで優勝が手に入らない年が続いてきています。
- 2018/19年シーズン：Ｖリーグ
ファイナル：準優勝
第68回黒鷲旗：優勝 - 2019/20年シーズン：Ｖリーグ
スターカンファレンス：2位通過
（ファイナル４への進出はならず）
天皇杯･皇后杯：準優勝 - 2020/21年シーズン：Ｖリーグ
レギュラーラウンド：1位通過
ファイナル：準優勝(最終順位)
天皇杯・皇后杯：準優勝 - 2021/22年シーズン：Ｖリーグ
療養のため黒後選手の出場無し
レギュラーラウンド：2位通過
ファイナル：3位(最終順位)
第70回黒鷲旗：優勝 - 2022/23年シーズン：Ｖリーグ
レギュラーラウンド：1位通過
ファイナル：準優勝(最終順位)
天皇杯・皇后杯：準優勝
黒後愛：2021年VNLと東京オリンピック
コロナ禍による東京オリンピック2020の1年延期。
2020年オリンピックの主力として目されていた主力選手の引退が相次ぎました（新鍋理沙選手、岩坂名奈選手、佐藤美弥選手）。
それらの選手たちの引退理由は、主にモチベーション維持の限界だったと言われています。
オリンピック出場の選手登録はたったの12名。そのうちの1名が欠けるだけでもチームへの打撃は図りしれないものがあります。
東京オリンピック直前の国際大会、VNL（バレーボールネーションズリーグ：2021年5～6月開催）。
コロナ禍で十分な時間が取れなかったチームづくりの中でも、黒後愛選手と古賀紗理那選手中心のチームで「3位」という好成績を残しました。
当時の日本代表監督中田久美さんは黒後選手には大きな期待を寄せ、代表チームでは東レアローズとは異なるオポジットポジションで起用。
新たに抜擢された籾井あき選手を正セッターとしたチームがVNLで試されました。
黒後選手は短期間でのチーム力向上、完成に向けて、スタメンとして試合に出場し続けました。
女子日本代表、中国にストレートで勝ち、2連勝。黒後愛「籾井とのコンビを合わせるように意識した」 VNL2021 https://t.co/jSukXHWF2B #バレーボール #バレマガ
— バレーボールマガジン公式 (@vbm_link) May 26, 2021
おそらくこの頃の黒後選手には、酷なほどの重圧があったと考えられます。
チームの主力しての役割。
コロナ禍の行動制限下において、試合の合間、滞在先での休息もままならない状況で、毎試合の連続起用。
VNL大会後半の黒後選手は疲労しつくしているようにも見えました。
そして、東京オリンピック2020（2021年7月開催）。黒後愛選手は中心選手として出場。
大きな期待と重圧の中、女子日本代表チームは1次リーグで敗退。12か国中、10位という成績に終わりました。
過去、オリンピックで好成績を残し、国民からも期待の大きい日本女子バレーとしては残念な結果となりました。
原因を一言で語るのは難しいですが、VNLを通じて日本チームが相手から研究し尽くされていたこと（6月VNLで勝利したドミニカにも、8月のオリンピックで敗戦）。
その対策された状況を覆せる実力が、まだチームには無かったということかもしれません。
女子日本代表チーム
過去のオリンピックの成績
五輪の他競技も見て分かったのは、海外も更にレベルUPしてるという事。日本も更なる技術向上が必要って事かな。
中田久美監督涙…女子バレー１次リーグ敗退「選手たちは一生懸命頑張った」 – バレーボール – 東京オリンピック2020 : 日刊スポーツ https://t.co/0RRII3fxWc
— ＹＴ－ＹＴ🇺🇦🇯🇵 (@ytytytyt0316) August 3, 2021
黒後愛：東京オリンピック後
2021年夏の東京オリンピックが終わり、次のVリーグ2021/22年シーズン。
そこに黒後選手の姿がありませんでした。体調不良でシーズンを通して休養。
身体だけでなく、精神的にも限界が来ていたのかもしれません。
2021年秋～2022年春シーズンは一度もコートには立たず、出場なし。
1年間、完全休養（療養）のため、2022年度女子日本代表登録選手にも選ばれることはありませんでした。
ただこの期間は、選手として、人間として、次のステップへ進むための必要な期間だったと言えます。
2022年9月：チームに復帰
2022年9月。
休養を終えて黒後選手は2022/23年シーズンのVリーグで、再び姿を見せてくれました。
そこには、かつての明るい笑顔のままの黒後選手がいました。
【開幕カウントダウン💘】
2022/23シーズンVリーグ
開幕まで…あと5日！！あいの持ち前の体育館中に響く声と
ここぞの時の勝負強さに期待です💪🏻#黒後愛#東レアローズ#TORAYARROWS#アロじょ #アロとも#覇気 pic.twitter.com/KCnRzXMivb— 東レアローズ女子 (@TORAY_ArrowsW) October 24, 2022
チームとしてあと僅かなところでVリーグの覇者には手が届きませんでしたが、シーズンを通して素晴らしい戦いぶりでした（レギュラーシーズンではVリーグ王者に値する成績）。
黒後選手は37試合に出場。40得点を決めました。
東京オリンピック以前の得点数（2020/21年シーズンは284得点）には及びませんが、出場セット数は105セットと、東レ所属後以降、2番目に多い数。
トップアスリートにとって1年間のブランクは大きく、2022年秋～2023年春シーズンは完全復帰に向けて体を作り、試合勘（試合感）を取り戻す時期だったとも言えます。
なお、2023年度女子日本代表登録選手には入らず、2024年以降の日本代表復帰に期待したいところです。
黒後愛選手：東レアローズ退団を発表、引退や理由は？
2023年5月24日、東レアローズは、選手の引退や退団を発表。
その中には黒後愛選手の名も。
黒後愛選手の退団が発表されました。
黒後愛選手はチームを通じて以下のコメントを発表しています。
日頃より温かいご声援を頂き有難うございます。この度東レアローズを退団する事になりました。私にとって東レアローズで過ごさせて頂いた６年間は、バレーボール選手としても、人としても成長をさせて頂き、沢山の事を勉強させて頂いた学びの場でした。試合に足を運んで応援して下さったサポーターの皆様、ファンの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
またどんな時も支えて下さった会社関係者の皆様本当に有難うございました。そして、ここまで共に戦わせてくれた選手はじめスタッフの皆さん、多くの時間を共有し時に厳しく時に優しく皆さんと過ごした時間は忘れられない思い出です。本当に有難うございました。
これからは東レアローズで学んだ事を活かし、更に成長していけるよう精進していきます。今後とも東レアローズと黒後愛へ変わらぬご声援を宜しくお願い致します。
ファンの間では「黒後選手は引退か？」もしくは「妊娠や結婚？」という噂話がネット上に多く流れました。
しかし、2023年秋シーズンから埼玉上尾メディックスに所属にするため、引退するということはなく、引退する理由もないと言えます。
黒後愛選手：妊娠・結婚の噂は本当だったのか？
巷で飛び交った「妊娠」という話も2023年にはなさそうです。
なぜなら、黒後選手は新天地、Vリーグの埼玉上尾メディックスへの移籍が決まったからです。
黒後愛選手の今後：2023/24年シーズンは埼玉上尾メディックス
＼🎂Happy Birthday🎂／
本日は #黒後愛 選手の
お誕生日です🎂🎊🎉おめでとうございます💞#埼玉上尾メディックス#Vリーグ#バレーボール#HappyBirthday pic.twitter.com/qaZREsXtYU
— 埼玉上尾メディックス (@Saitama_AMG) June 14, 2023
2023年6月14日。黒後愛選手25才の誕生日。
埼玉上尾（あげお）メディックスは黒後愛選手の入団を発表しました。
埼玉の上尾と言えば、黒後選手の出身地である栃木県宇都宮市にも近い場所。
そして、2022/23年シーズンは女子V1リーグ12チーム中の4位と、力を付けてきているチーム。
黒後愛選手は引退することなく、今後は新天地の上尾で活躍してくれることでしょう。
背番号は13。まだまだコートで、黒後選手をスマイルを見られるのは嬉しいものです。
黒後愛選手の両親や姉など家族構成は？
黒後愛選手は姉のいる4人家族。バレーボール一家と言えます。
お父さんは元バレーボール選手。
父の黒後洋（ひろし）さんは宇都宮大学の体育学などを専門分野とする指導者で、宇都宮大学のバレーボール部を関東の１部リーグに昇格させたことのある名監督です。
母（裕子さん）も元バレーボール選手。
全日本インカレ上位の常連である筑波大学の女子バレー部に所属していたそうです。
５才年上の姉（彩乃さん）も元バレーボール選手。
お姉さんはバレーボールの強い国学院栃木高校へ進学し、春高バレーに出場。
その後、宇都宮大学でバレーボールをしていたとのこと。
ちなみに黒子愛選手が通った宇都宮市立若松原中学でバレー部の監督は、叔父の黒後昭さん。
黒後昭さんは「黒後愛選手はものすごい集中力の選手」で、そのエピソードには事欠かないと語っています。
この集中力については、日本代表の中田久美監督も同様に「集中できた時の黒後はすごい！ワールドクラス」と評しています。
黒後愛選手 関連情報
黒子愛選手には、引き続き女子バレー界を引っ張っていってほしいものです。
当サイトは黒後愛選手を応援します。
よろしければ、こちらの記事もどうぞ。
生年月日：1998年6月14日
（2020年時点：22才）
出身地：栃木県宇都宮市
血液型：B型
ポジション：アウトサイドヒッター
所属チーム：東レアローズ